虫歯の原因・予防 / 虫歯の豆知識
2016/06/16
人の口の中にはたくさんの細菌がいますが、私たちが食事をした時の糖分が細菌たちのエサになります。その時にできた酸が原因で歯が溶けてしまい、それが虫歯になります。
なぜ虫歯になるの?
たくさんの種類の細菌の中でも代表的な虫歯の原因菌として、ミュータンス菌と呼ばれるものがよく知られています。このミュータンス菌は私たちが食べたり飲んだりした物の糖分を栄養にして増殖します。その時、菌のまわりにネバネバした物質を作り出します。このネバネバで歯にくっつき、そこでたくさんの細菌たちと結びつきます。これが増えて歯の表面に白っぽく付着している汚れ、これが歯垢(プラーク)です。
この細菌は同時に乳酸も作り出し、それにより歯垢の中は酸性になります。歯垢が接触している歯の表面(エナメル質)は酸に弱く溶けてしまいます。歯の表面が溶ける状態が続くと穴が開いてしまい、虫歯になってしまいます。
虫歯が進行すると
エナメル質に穴が開いた状態ではあまり痛みは感じません。気づかずにそのまま放っておくと、エナメル質を溶かし続け、やがて象牙質に到達します。象牙質はエナメル質よりも酸に弱いので、虫歯の進行が速まります。それをさらに放っておいてしまうと、象牙質の中にある歯髄にまで到達します。歯髄には神経や血管が通っており、細菌がここまで到達してしまうと、かなりの痛みを感じます。場合によっては歯の神経がしんでしまい、そこで細菌が増殖し、最終的には歯を支えているあごの骨(歯槽骨)に細菌の巣を作ってしまい、骨の中で炎症を起こして、ほっぺたが腫れあがる、発熱するなどの症状があらわれます。
虫歯になりやすい場所
簡単に言うと歯垢が付きやすく、取りにくい場所です。
- 歯の根元の歯ぐきに近い所
- 歯と歯の間
- 奥歯の溝
- 歯の詰め物の間
- 歯の裏側
- 差し歯やブリッジの接触する場所
虫歯になりやすい?
「虫歯になりやすいなぁ」と思っている人は、歯磨きの方法や食生活、生活習慣を見直す必要があります。
- 歯磨きがしっかりできていなくて、歯垢をきれいに落とせてない
- 糖分をよく摂取する(おやつをよく食べる)
- タバコを吸う
- 口の中がよく乾いている
*歯垢が付着している時間が長いと、歯が溶けていきます。歯垢をきれいに落とすのは、1番大切なことです。
*おやつをしょっちゅう食べるということは、虫歯菌に栄養である糖分をたっぷり与えている状態です。少し控えましょう。
*タバコを吸うと、口の中が酸性になるといわれています。酸は歯を溶かしてしまいますので、注意が必要です。
*口の中が乾きやすい人は、唾液の分泌が少なくなっています。唾液には口の中の細菌や酸を洗い流してくれる効果があります。唾液の量が少ない人は虫歯になりやすく進行も速いといわれています。唾液の中にはカルシウムやリンなど、歯を構成している成分が含まれており、虫歯の初期段階では再石灰化という反応が起こっています。唾液は虫歯の予防にとても大きな関わりがあります。
口が乾く原因
唾液の分泌が少なくなる原因はいくつかありますが、
- 噛む回数が少ない
- 口呼吸
この2つがよくあるケースです。唾液は物を噛むことにより、唾液腺から唾液が押し出されて出てきます。柔らかいものばかり食べていたり、よく噛まずに急いで食べる人も唾液の分泌が少なくなります。
口で呼吸する人は当然ですが、口が乾燥しやすい状態にあります。人は普通は鼻で呼吸しますが、鼻炎やちくのうなどが原因で口で呼吸せざるをえない方もいます。それらを治療すると共に、鼻で呼吸する訓練をする必要があります。